まず買うべき包丁と道具
【包丁の選び方】
まずどんな飲食店で働くにしても最低限必要な洋包丁が2本ある。「牛刀」と「ペティナイフ」だ。あなたの家の台所にもペラペラの三徳包丁があるだろう?あれの長いのと短いのと思っておけばいい。
それに寿司や日本料理だったら片刃型の「出刃包丁」と「柳刃包丁」「菜切り包丁」が最低限必要になってくる。ちなみにフレンチとイタリアン、まともな天ぷら店も出刃包丁で魚を捌く。
蕎麦を切るなら「蕎麦切り包丁」、中華料理店を選んだのなら「中華包丁」ももちろん必須だ。
つまり「牛刀」&「ペティナイフ」+修行先によって「1本〜3本」が見習いが最低限揃えておくべき包丁となる。
私は現在19本の包丁を持っているが見習い時代から使っている包丁が4本ある。手入れさえ怠らなければ包丁は一生物だ。
【包丁の素材はピンキリ】
次に安物と高価な物の違いだ。
スーパーやホームセンターで売っているような包丁は素材が柔らかい。柔らかいということは研いでもすぐに切れなくなるということだ。さらに研ぐとどんどん消耗変形していって画像のように最初の形を保つ事が難しくなる。こうなるといわゆる"使えない包丁"となる。
高価な包丁は逆だ。例えば15万円もする「本焼き包丁」は素材がとても硬く刃持ちが良い。何十年と品質を保つが、見習いがそれを扱うのは手に余る。一人前になってから買えばいい。
下で紹介してある包丁は私が見習いにちょうどいいサイズと値段の包丁を厳選したので良かったら使ってみて欲しい。高価すぎるものは排除したが、愛情を持って扱えば一生使えるくらいの品質は保っている。
【砥石について】
砥石も欲しがれば切りがないが、最低「荒砥」「中砥」「仕上げ」の3つがあればどんな包丁にも対応できる。おすすめはセラミック製だ。使う前に水に浸しておく手間がない。
包丁は切れないと意味がないので"砥石で研ぐ作業は基本中の基本"だということを忘れないで欲しい。
【牛刀】Misonoの洋包丁は私も愛用している。良く切れ、実に使いやすい硬度だ。
【ペティナイフ】
【出刃包丁】和包丁各種は正本を持っていれば何処に行っても馬鹿にされることはない。
【柳刃包丁】
【菜切り包丁】
【蕎麦切り包丁】私の後輩が勧めていた。私の物より断然使いやすかった。
【中華包丁】重さ大きさ共に秀逸。日本のメーカーは実に優れている。
【包丁ケース】包丁はまとまると意外と重いのであると便利。
【荒砥】今はもう刃の黒幕シリーズしか使っていない。台に固定されているタイプも割れにくく捨てがたい。
【中砥】
【中砥 台がくっ付いているタイプ】
【仕上げ】
【仕上げ 台がくっ付いているタイプ】
【面直し】
砥石は使用するたび摩耗して真ん中が凹んでくる。凹むと刃が付かないだけでなく、包丁そのものが変形してしまう。「面直し」はそれを防ぐために使用する。
これには付属の砂が付いていて大変お得。
【最後に】
私は包丁が汚い料理人をたくさん見てきたが、総じて仕事が出来ない。中にはまともに砥石で研げない者までいる。
包丁は料理人の腕の一部だ。切れない包丁は力が入って大怪我をする。
プロを目指すあなたは最初は思い通りに仕事をさせてもらえないかもしれない。でも道具を大切にする心は見習いでも出来る。
いざ振ってもらえた「仕事」の時のために常に刃とハートは磨いておこう。チャンスをものにして活躍してほしい。
※最終更新日2022年3月2日